上座下座と面倒臭い

前回の記事(正座は武士にあるまじき行為ではないのか)で「1つだけ」許し難いと述べさせていただいた剣道における(近年捻じ曲げられた)シキタリでしたが、申し訳ござりませぬ、もう1つございました。

そう、タイトルの通り、上座下座の話でござりまする。

今回の話は生々しい話でござりまして、まさに今日の稽古で起こったのでござりまするが、乱取り稽古(剣道でその言葉を使うかは不明)、要するに定例メニューをこなした後の放課後での自由取り組みでの出来事でござりまする。

定例メニューをこなして水分を取りまして、面をつけ直していざ「やる気があるところを見せよう」と、既に面をつけ直して起立しておられる先輩に稽古を申し込んだところ、「いや、我々は後などで」とゴニョゴニョなんだか奥歯にものが挟まった物言いをされる。どうやら道場主である教士七段の先生の順番を待っている風体と。その七段の先生は別の先輩と取組中。お、それならばともう一人の先輩にお声がけしたところ、同じお答え。

・・・・周囲はガラ空き。防具をつけて呆然と立っている剣士が複数・・・。

ちょっと待てと。時間が吐いて捨てて余りあるような餓鬼共ならまだしもだけれども、我ら社会人、現役バリバリの日本を背負って立つ納税者である。仕事の合間に貴重な時間を割いて教えを乞うて居るのではないか。それが、道場主の一番偉い先生を差し置いて自由稽古もできないとは。

さらに驚いたのはその後である。道場主の先生に一番に掛かっていた先輩が空いたので、すぐさまその先輩に稽古をお願いしたところ、「コッチはダメ!アッチデ!」と叱られたのだ。

そう、「コッチ」というのが「上座」だったのである。

「上座」「下座」というのは、なんとなく「入口に近い方が下だな」という知識はあったものの、神棚のある道場ならいざ知らず、納税者の皆様から有難く借りている公立小学校の体育館でマサカそんなものがあるとはつゆ知らなかった私には衝撃であった。

運悪く(かどうかは知らないが)、その時道場主教士七段の先生は体育館の中央で稽古をしておられた。。。待機している剣士多数。。。先生の右側(奥側)はガラ空き・・・。先生の左側(入り口側)は子供やギャラリーで混雑・・・。

思うに、道場を統括する道場主であるからには、レンタルしたスペースが最大限活用されるよう気を配る義務があるのではないだろうか。自身の上座に弟子が出られない風習を奨励するのであれば、自身が最上座に居座る義務がそこには生じるはずである。そのことを怠ったのであれば、それは道場主の過失である、と思うがいかがなものか。

もうさ、空いてるスペースと空いてる時間は有効活用しようや。な。税金で賄ってる小学校の体育館なんだからさ。

・・・と、現役納税者の一人として切に願わざるを得ない今日この頃でござった。